聴衆は沸いた! 私はしらけた!(安部司講演会その1)
2009年5月2日土曜日。忌野清志郎が亡くなった日、浅沼稲次郎刺殺の瞬間を撮影したカメラマン、長尾靖もこの日亡くなっているのが見つかった。私はこの日を忘れることはないであろう。
日時 : 平成21年5月2日 13:20〜 15:00
会場 : 福崎町エルデホール メインホール
会場住所 :兵庫県神崎郡福崎町福田116−2
会場連絡先 : TEL 0790−23−1655
−安部 司の想い−
私たちの世界は戦後、
驚くほど豊かになり便利・快適になってきました。
しかしこの便利で快適な生活の「裏側」には
多くの化学物質があることを忘れてはいけません。
食品の世界においても同様です。
楽に簡単に食事をすることができるのは「食品添加物」
のおかげです。今日の豊かな生活の裏で私たちは何を得て、
何を失ってきたのか。また失いつつあるのか。「食の危機」
が叫ばれている現代、あらためて考えてみたいと思います。
ポンコツ中古車ミラ(でも4気筒JBエンジンのL502Sだ)を飛ばして約2時間。狭い街中を巡って、会場のエルデホールへ。開場まで1時間以上ある。一番乗りだ。しばらく様子を見ていると、町章入りの公用ライトバンに迎えられて、演者・安部司到着。
受付で、係員に、「この記帳は演者には見せないですよね。個人情報保護」と念を押して、自分の名前(実名)と括弧書きで「安部司批判者」と記入した。一番乗りなので、最前列のど真ん中。演者のまん前になる。テーブルの上には、小瓶に入った“添加物”が数十本並べて、準備してある。
レジュメが配られる。
演題「食品の裏側」
−食の本当の豊かさとは?−
1部 「食」の現状を知る
- 私たちが口にするものに、これだけ「白い粉」が入っている!
- なぜ腐らないか、なぜ色あせしないのか
- いつでもどこでも便利な食品が手に入るのは「添加物」のおかげ
- 「売る側」だけが悪いのか、なぜここまで添加物が蔓延したのか
- 添加物の5つの働き
- 消費者は被害者か
- コンビニは絶好の「勉強」の場
2部 添加物が日本の食文化を壊していく
- 添加物が子供の味覚を壊す
- 塩分、糖分、油分がおいしさに変わる。
- 「これを入れないと売れない」調味料のゴールデントリオ
- 食べ物の尊さがわからない子どもたち
3部 これからの食生活をどうするか
- 加工食品・調理済み食品とつきあう3つのポイント
- 食を通して、家族の絆を取り戻す
- 安心安全の意識調査
レジュメには、「あなたの食生活を問い直す! 添加物テスト」なるものが付いているが、これは略。「推定添加物摂取量は年間5キロ以上!?」違う物質を総量で評価しても意味ねぇだろ? 例えて言うと、女性のスタイルをスリーサイズの合計で論じているのと同じだ。足し算は意味がない。
著書と同じで、安部のスタイルは理屈ではない。
いかに大衆の情感に訴えるかだ。
そのために、いかにも(麻薬を連想させる)「白い粉」から、豚骨スープや清涼飲料水がつくられるというデモをテキヤの如くやらかすわけだ。奴に「理屈」で反駁しても、到底噛み合わない。聴衆の殆どは、中高年の女性。子供連れも多い。学者風情はいない。私のそばには、高校生くらいの息子を2人連れた、体育教師風のオッサン。このオッサンが私の発言を妨害することになる。
(続く)