アニュー(ナチュラルグループ本社)の広告塔か?

 安部司の公式サイトでは、講演日程が意外と少ないなと思えるが、自身のサイトに載っているほかに、こんなところ魚拓)でも活躍している。通常の講演よりも多くの回数をさいているらしい。

 とりあえず書いておこう。ナチュラルグループ本社の橋本幸雄会長とは、日本の催眠商法の始祖とされる「新製品普及会」出身催眠商法の別名の「SF商法」とは新製品普及会に由来する)であり、その「新製品普及会」を率いていたのは島津幸一なる人物。島津はその後、日本の初期三大マルチ商法(ホリデイマジック、APOジャパン、ジャッカーチェーン)の一つ「APOジャパン」で教育係を努め、自己啓発セミナーライフダイナミクスに関わり、ジョセフ・マーフィーを紹介した。付け加えれば、その「APOジャパン」を率いていたのは、のちに「L&G」事件を起こす波和二。あ痛ててぇ。こりゃ由緒正しい(?)香具師の血筋だ。新製品普及会は1970年に破綻するが、ノウハウを覚えた連中が独立して同じようなビジネスを展開する。アニューも最初は移動店舗だったが、悪評が高くなって船井総研にコンサル頼んで、固定店舗に転換する。
 安部司が講師を務める、関連団体「社団法人日本緑十字社」(戦後の食糧難時代に設立された休眠法人を買い取ったらしい)の社長は、マクロビオティック普及者として有名な久司道夫。生体内で原子転換が行われるという疑似科学的主張をしており(千島学説でも有名な主張だが、そんなことが起こることを論文にすればノーベル賞ものだ)、あの船井幸雄とも共著がある人物。

 橋本や島津に関しては、斎藤貴男著『カルト資本主義所収の『第五章 「万能」微生物EMと世界救世教』を一読あれ。あの、EM比嘉照夫と島津との繋がりなんかも出てくる(『カルト資本主義』によれば、二人を繋げたのは稲葉修・元法相だという)。


(付記)「厚生労働省認可の公益法人」で講師を務めているっていうのは、普通はプロフィールに書きたがるものだろうけど、安部司の著書や講演では、「日本緑十字社」と関係があるということは出てこない。おそらく、アニューと関係ない方面には、意図的に伏せているのだろう。一方、アニューのセミナーに連れて行かれれば、「あの添加物の神様が言っている」と、コロリと騙されてしまうわけである。

カルト資本主義 (文春文庫)

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